【本】口だけでない人の強さ~ユニクロ潜入1年 読みました
偶然図書館で見かけて借りた本、読み応えあったのでシェア
潜入アルバイト1年間
実際に新宿ビックロや豊洲などのユニクロ店舗で、実際に1年ほどアルバイトとして働いた経験から書いているルポ。ものすごく読み応えがあった!
きっかけは柳井社長の一言
元々ユニクロの社員や元社員、海外の取引工場の従業員など豊富な取材をもとにUNIQLO関連本を書いていた著者。
そのうちに、UNIQLOに不利益なことを書いているとみなされ、
決算報告など出入り禁止となり、社長はじめ会社への取材も断られるようになってしまったという。
ユニクロへの取材がままならない中、
柳井社長が他のインタビューで
「自社をブラック企業というのは働いたこともない人。
働いた人はそうは言わない」
と言っていたのを聞いて、「これは自分への招待状」だと感じたという
▶この時点で*1ス、スゲェ
潜入のためにペーパー離婚
奥様とペーパー離婚し再婚
▶妻の名字に変わることで合法的に名前変更
ユニクロにアルバイトとして潜入。
豊洲や新宿のビックロなどの大型店で通算1年ほどのアルバイトをして、
その上で本を出版
徹底現場主義
まず、圧倒されるのは⇑と、それを貫くバイタリティー!
・潜入前にも、厳しい規約を設で社内事項の口外に厳しい
日本ユニクロのバイト、元社員をほうぼう回って話を聞いて回る
・海外のユニクロ工場でも現地のスタッフに話を聞いてまわり、
自宅を見せてもらったりして労働環境綿密に取材
これだけでももちろん大きな労力が必要なのは間違いないが、
著者がすごいのはそれにとどまらず、
前述の通り柳井社長の言葉を招待状と捉え、
家族とペーパー離婚までして名前を変え、
見つかるリスクを冒して1年間もの期間
複数のユニクロ店舗に潜入してアルバイトするというのは・・・。
その行動力にまず圧倒。一体何がこの人をここまで激しく駆り立てるんだろう
口だけでない人の強さ
しかも経験したのは繁忙店ばかりで(売り上げが上がっている店舗でないと人件費が出せない)、
読んでるだけで忙しい現場が伝わってくる。
ここで「時給1000円なら1500円の働きをする」と自分に課し、自ら積極的に働く。
決して、潜入取材のためにバイトに来ているだけとあぐらをかかないその姿勢、
すごい尊敬を覚えた
▶書いた時点で50歳を超えていたという著者、正直普通に大変だったと思う。
口だけの人ならこうはできない
自分自身、医療現場で働いていて、
経験していない他人があれこれ綺麗事を言うことを面白くなく感じることが多い。
ユニクロの人もそうだろうと思う。
でも実際に自分達と働き、汗を流した人の取材だったら、
現場レベルの人が読んだときの印象もだいぶ違うだろうなというのは想像に難くない
ブラックバイト現場も既読浮き彫り
読んでいると、
・単位が取れないほどバイトのシフト が入ったり
・売り上げが上がってないとなると全然シフトが入らない、入れてくれない のに、
・当日や前日突然に「明日入れる人、当日残業できる人」と募る場当たり的なシフト
など、ブラックバイトぶりも浮き彫り。
ファストファッション、便利だけど
安くて手軽、それなのにおしゃれなファストファッション。
めっちゃ便利だし私も大好きだけど。中国など海外の生産工場の悲惨な労働環境や、日本のブラックバイトぶりを本で目の当たりにすると、この人達の犠牲の上での低価格なんだなと理解して複雑な気持気持ち・・・。
私にとっての読書の醍醐味
は、人の人生や、知らない環境を知れること。ユニクロでのアルバイト経験はないが、
こうしてアルバイトをした人のレポを読むことでバイト現場を垣間見ることはできる。私自身が1人で経験できること、やは限られているが、
こうして本を通じて色んな人の人生が経験できることがありがたい
まとめ
ユニクロ潜入取材のルポ
「口だけでない人」の「現場を知る力」でものすごい説得力です
おすすめ!
*1:;゚д゚