【本】「学校の女房」から「横やナナメの関係を作れる場所」に~PTA不要論読みました
PTA⇒ワーキングマザーの普遍的問題(笑)
▶もうすぐ入学するお母さんも、おそらく戦々恐々ですよね。
そんなPTAが不要だという本を発見!
- PTA、いらないんじゃね?
- 役員&ボランティア、通算8年目…私
- ’学校の女房’役、’ただ働き要員’?!
- 地域性?そこまでひどい?
- PTA取材を通じて浮かび上がるのは、
- ゴールは子供の「よりよい学校生活」
- メリットもあるのになぁ
- 横とナナメの関係づくり
- その上での要効率化、脱女房化
- まとめ
PTA、いらないんじゃね?
ご自身も2人のお子さんを育てた女性著。育児中、通算三つの公立小学校で ご自身もPTAに関わった経験を踏まえた上で取材し執筆された著者の結論▶
「PTA、いらねえんじゃね?」
▶もちろん全面的に廃止するということではなく、必要に応じたボランティア制度に改めてはという提案 後述していきますね。
役員&ボランティア、通算8年目…私
そんな私は現在小中学生3人育児中。小規模校なので、PTAの役員(学級委員、分会員など)のほか、長男小学校入学とともに加入した図書ボランティアでは、2年ほど代表も務め、既に来年度は地区副委員長に内定(;´Д`)
全て入れると春からは通算8年目(笑)
▶子沢山なことと(笑)フルタイムとはいえ、不規則勤務で平日日中時間時間捻出余地あるので、普通のフルタイムのお母さんよりコミットは多め。
正直時間を取られて翻弄される部分がないと言えば嘘になる。
▶興味を持って読んでみる
’学校の女房’役、’ただ働き要員’?!
綿密に取材されて書かれている本書は、PTA歴7年の私も思わず「あるある」と唸る話たくさん(笑)
・PTAは任意加入団体だということは一切説明なく、事実上全員が一律自動的加入
・その上で、役員決めは単純平等。入学式や社会などに出席すると、そこに軟禁状態→「決まるまでは帰れません(お子さんに会えません)」。
▶外国人、ひとり親家庭、病気の家族がいる、小さな子供がいるなどの事情は一切勘案せず、「とにかく1人1回はどんな事情があろうと必ずやってください」
・特にパソコンなどを使っているワーキングマザーからすると、仕組みは前近代的で非効率⇒改善を申し入れるが、「来年以降の人がパソコンを使えなかったら困る」「今まではこうしていた」などの理由で、大抵受け入れられず
▶結果、前近代的で時間ばかり浪費する方法を脈々と受け継ぐ羽目になる(;´Д`)
・役員の集まりが平日午後にあると招集→やっとの思いで有給休暇を取って学校に行ってみると、延々とベルマーク分類などの単純作業
⇒「時間が惜しいので、家でやります」と提案しても受け入れられない
・仕事の全体像が見えない1年間は、仕事をこなすだけで精一杯 ここは改善できるのにな、全体像を掴んだあたりで人気が来て、次の人に引き継ぐことになるので改善がままならない
あるある(笑)!
地域性?そこまでひどい?
そんな事情で、自分自身も多少はPTAに通じているし、本部役員にママ友パパ友も多め。子ども会の会長やサッカーの役員などの役員も引き受けているので、他校ママ付き合いもあり。少なくとも近隣のPTAの事情には、多少とも通じている自負はあるが… 本の中では、
・卒入学式で来賓に役員がお茶だし
・学校の先生方の研修で他校から来る先生方にも駆り出されて役員がお茶だし
・全然ニーズがない平日昼間に外部の講師を招いての講演会への参加者者探し⇒もちろん当日も出席
など、私自身は経験したことがないようなひどい話もたくさん
▶業務量 地域差は非常に大?!
少なくとも、この7年間の間先生たちの研修会のお茶出し業務は1度も遭遇したことがないし、本部役員の時間負担も、多少有給や勤務融通が取れる人なら、仕事とやりくりして参加できるレベル。
無料奉仕、年間403時間!
そういえば別の本だけど、本部役員をすると年間403時間ほどコミットする必要があったという本を読んだことがある
▶正直 週数回半日パートに出ている労働量(* >ω<)…もちろん無給
PTA取材を通じて浮かび上がるのは、
子供を人質に取った上で「子供のために」という大義名分のもと、女性を無料の労働力として、学校の女房代わりに便利に使っている学校、ひいては国の姿だと著者。
▶これが冒頭でも書いた通り「PTAいらないんじゃね?」著者が考える理由
ゴールは子供の「よりよい学校生活」
PTAは子供がよりよい学校生活を送るために存在していて、これが活動の目的。
ただ長いPTA活動の中で、目的が手段、手段が目的化してしまっているところがあるのは否めない。
▶この軌道修正 臨機応変に出来ることが活動の鍵なのかなと。
メリットもあるのになぁ
多分、私は著者ほど酷い目にあっていないからこんなぬるいこと言えるのだろうが、読んで最初の感想は「PTA,メリットもけっこうあるのにな」だった。
おそらくPTAで相当懲りていらっしゃるからでは思うんだけど、
本にはメリットの部分はほとんど書かれていなくて、多少片手落ちな感じも受けた。
メリット1 教職員と顔が見える関係になる
絵本の読み聞かせや行事の打ち合わせなどで先生たちとミーティングをする機会もあり、その中で教師たちと「顔が見える関係」が構築出来ると、信頼関係も築きやすい
▶PTAに参加し、多少「徳」積んでいるので(貸しとも言う?!苦笑)先生達もトラブルがあった時などあからさまに無下にはされにくい笑
メリット2 保護者たちとも顔が見える関係になる
同じ理由で、保護者の人達とも顔馴染みになっておくと、子供同士のトラブルの時などにもグッと解決がしやすくなる
▶日頃から挨拶する程度の会話があるだけで、ご近所トラブルがぐっと減るという統計があるが、それと一緒だと思う
メリット3 子供達とも顔が見える関係になる
行事や手伝いを通じて、子供達とも顔が見える関係性ができるので、同じくトラブルなどが起こった時にグッと解決がしやすくなる
横とナナメの関係づくり
↑この本めっちゃおもしろかったです
リクルートから民間校長なられた藤原和博氏は、学校で大切なのは
ナナメの関係づくり=先生と生徒という縦の関係に対して、
よその保護者はじめ地域の大人との関係がナナメ と説く。
同感!そしてPTA8年やってみると、ちょいちょい行事や授業手伝う中で、
近所のおばちゃんとして子どもたちとナナメの関係が作れる。
加えて大切なのは、横のつながり
先生や他の保護者たちと「顔が見える関係」つくっておくと、いざ子どもたち同士のトラブルなった際 こじれ具合が全く違う。
▶日頃から
その上での要効率化、脱女房化
もちろん本にもあるが、
・事情踏まえない悪平等な役員決め に始まり、
・ボランティアであるはずの母親達を労働力と見込んで、本来の業務以外のタダ働き
・「その広報誌、本当に必要?」 「そんな行事、本当に必要?」など、活動は旧態依然
など、確かにPTAは、本来のミッションと乖離してる部分は否めない
役員押し付け型→自発ボランティア型
そうなると、著者が言う通りに、嫌々引き受けた役員にタダ働き押し付け→自発的に手伝える人を探すボランティア組織に変換していくのも良さそう。
▶ただ、この方法の欠点は人手が安定して見込めないこと。「結構楽しいよ!一緒にやろう!」的な雰囲気作りするに尽きる(笑)
業務の効率化!
ワーキングマザー率も増えているから、仕事も効率化して、時代に合わせてPTAも変わっていく必要があるのはもちろんのことだと思う。
▶中学生になった長男が小学校入学時代には、ガラケーのケータイメールが全盛で、Gメールから送信した私のメールが全然届かなくてトラブルよくなったけど、今はほぼライン、とか多少は進化しているんだけどね
まとめ
子供のよりよい学校生活のため存在してるPTA。
いつの間にか「タダで便利に使える、学校(ひいては国)の女房役」と化してしまっている と著者は警鐘を鳴らす。
ただ、PTAって実は、タテとナナメの関係が作れる組織でもあり。
より良いPTA活動模索していってほしいです。